安来鋼

安来鋼は堺製包丁で一番よく使われています。日立金属(株)安来工場で作られている最高級の刃物鋼でヤスキハガネと言います。包丁に使われる安来鋼には、青紙・白紙・黄紙・銀紙の種類があります。(鋼材名は、色紙を貼って区分した事から、それが一般的な呼び名になったようです。)

白紙 100%砂鉄系の原料。炭素鋼は不純物が少ないほど、焼入れが難いため、純度の高い白紙は、焼き入れ効果がでる温度帯が狭く、鍛冶職人の腕が問われます。白紙は玉鋼に似ている性質を持っていると言われています。白紙は、高硬度での靭性が高く、切れ味がよく、折れ曲がりや刃が欠けにくいという特徴があります。

青紙 白紙と同じ100%砂鉄系の原料に、0.4%のクロム(Cr)と1.8%のタングステン(W)が配合され、靭性と焼き入れ硬化性が増します。価格的には、白紙に比べて原料、製法上からの理由もあるのか、かなり高価になっています。

黄紙 半分が砂鉄系の原料。白紙より不純物が多いものの、刃物鋼としての必要条件を備えています。

銀紙 クロムを加えたステンレス鋼。硬度はいくぶん低くなりますが、錆びにくく、よく切れる家庭用包丁としてよく使われます。

C量は青・白紙1.00~1.40%・黄紙0.8~1.2%(各1号2号3号の種類によりCが決まっています。)

 

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